アルツハイマー認知症の症状
アルツハイマー認知症とは
認知症の中でも最も多いといわれるのがアルツハイマー認知症です。
この病気は、脳にアミロイドベータというたんぱく質がたまってしまい、神経細胞が壊れてしまうことで脳萎縮が発生する事が原因とされていますが、なぜ脳にアミロイドベータがたまってしまうのかなどの根本的原因が解明されていません。
年齢を重ねるとこのアルツハイマー認知症になる、また遺伝的要素もあるということが研究によって明らかになっていますが、実は、糖尿病、高血圧症などをお持ちの方は、こうした症状がない方に比べてアルツハイマー認知症になりやすいということが科学的にも証明されています。
つまりアルツハイマー認知症は加齢や遺伝的要素もあるけれど、生活習慣なども非常に色濃くかかわってくると考えておくことが必要なのです。
初期症状から中期症状
最初は「お父さん物忘れが多くなったわね」というくらいで気にならない記憶障害です。
しかしこうした単なる物忘れではないと気が付くときがあります。
例えば、昨日の夕飯の内容は?と聞かれて、なんだっけ?と答えられない人は多いです。
「夕飯を食べたことを忘れている」という状態はアルツハイマー認知症の症状といえます。
この初期段階は約2年くらいから6年くらいの間に、緩やかに進んでいきます。
底から症状が進むと、過去と現代の区別がつかなくなります。
特徴としては近い記憶ほどなくしていくという事です。
朝会社に出勤した、でも会社に行くという事を忘れてしまい、外出してから「どうしてここにいるんだろう?」と途方に暮れてしまうといった事が起ります。
この位になると尿意が分らない、便意を感じないなども出てきて、一緒に暮らすご家族にも支障が出てきます。
後期の症状
脳萎縮が進行してしまうと、言葉の意味も通じなくなりますし、本人が何を考えているのかも全く分からなくなり、意思の疎通が出来なくなります。
食事をするという事も出来なくなるので、介助が必須となっていきますし、歩行もおぼつかず小股になり、身体をかなり前に倒して歩くなど転倒の危険性も出てきます。
左右どちらかに傾いて歩くという事もあります。
次第に歩くことが出来なくなり、関節も動きにくくなります。
嚥下障害も出てきますので、食事ができにくくなり誤嚥性肺炎、栄養不良など色々な問題が出てきます。
初期段階で治療に入る事が大切
最初は物忘れ位で、年齢によるもので仕方ないという事からだんだんと深刻になっていきます。
ご家族が見ていておかしいなと感じる場合、本人が全く自覚症状がなくても、病院でしっかり検査を受け、初期段階から治療を開始する事が大切です。
特に糖尿、高血圧などを持っているという事であれば、リスクも高くなりますので早めに医療機関を受診しましょう。