1. >
  2. >
  3. くも膜下出血の治療法

くも膜下出血の治療法

くも膜下出血の治療はどのように行うのか

くも膜下出血を起こしたという事は、脳の髄膜に出血があるという事になります。
そのため、いち早く出血を止めるという事が急がれます。

最も危険といわれるのが、再発作、つまり再出血を引き起こす可能性です。
破裂した脳動脈瘤が再度破裂するという事も考えられるので、最初の出血から24時間以内が最も注意しなければならない時間です。
再破裂を起こすとくも膜下の出血が増加し、脳へのダメージが広く深刻になり、命に係わる事態になります。
再発を止めるという事と最優先に考えなくてはならないため、脳動脈瘤に行く血流をストップさせる治療を行います。

脳動脈瘤の再出血予防の治療

最初の出血から次の発作が起こらないように、頭部を開き動脈瘤に医療用クリップをとりつけ閉じてしまうクリッピング術が一般的です。
若しくは、股の付け根の大腿動脈から動脈瘤までカテーテルを通し、プラチナ製のコイルを詰めるというコイル塞栓術を行います。

どちらの方法を選択するかは、人によって異なります。
脳動脈瘤の大きさや位置、また患者さんの年齢などを考慮しなければなりません。

再出血を止めた後の措置

再出血を止めることが出来たら、くも膜下出血そのものの治療を開始します。
すでに最初の発作で脳動脈が通っているくも膜下には、出血が広がっています。
この出血は脳に大きなダメージを引き起こすだけではなく、脳動脈そのものに変化を起こさせる要因となります。

脳血管攣縮という、血管が細くなる変化をおこし、これを放っておくと脳梗塞に移行する事もあります。
くも膜下出血を起こして、4日目から14日目くらいまでにこの現象が起こる事が多く、この間、集中的に治療を施す必要があります。
この時期に症状が進み、くも膜下出血と脳梗塞を両方引き起こせば、重篤な後遺症を残してしまったり、命を失う危険性も出てきます。

急性期以降のリハビリ

発症から治療、全身状態の変化が起きやすい状態の間は、命を助けるという治療が最優先です。
生命を維持するということが治療の主軸となる、といえばこの病気が本当に怖い病気だという事がわかります。
発症してから再破裂などの危険性がある4日から14日は、ベッド上で関節を動かす、寝返りを打つ、手足をよい位置に保つなどの廃用症候群予防を行います。

これは寝たきり、安静の状態になる事で、身体の様々な器官が機能しにくくなることを抑制するために行うもので、全身状態を見ながら無理をしないように行います。
その後、急性期を脱し病態も安定し、血圧も安定してきたら、その方の症状、まひの状態などに合わせてリハビリを開始します。
日常生活を送るために、必要な動作が出来るようにというリハビリで、期間もかなり長くかかる事がありますが、まずは命が助かったこと、生きていることができるという事を心に、ゆっくり、少しずつリハビリしていくことが大切でしょう。